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アルミダイカスト品を作る際、成形後に溶接することがあります。ここでは、そもそも溶接とは何か、アルミダイカストの溶接にはどういった特徴があるのかなどについて解説します。
溶接は、一定や圧力などの力を加えることによって部材を接合する加工方法のことをいいます。場合によっては溶加材を用いることもあります。大きく分けると、溶接の方法は以下の3種類です。
融接は、溶接の代表的な方法です。母材と溶加材、またはどちらかを溶かす形で溶接を行います。
圧接は、接合部に機械を用いて圧力をかける形で接合する方法です。摩擦熱や電流などを用いる方法もあります。
ろう接は、母材を溶かしたくない場合などに選択され、母材よりも低い融点を持った溶加材を溶融させて接合する方法です。それぞれ加工するものに合わせて選択する必要があります。
アルミダイカストは、溶接は難しいとされています。その理由は、以下の3つです。
溶接が難しいとされている理由の一つに、溶接する時の融点が低いことがあります。これは、アルミダイカストには、アルミ以外の添加物が慣れていることが大きな理由です。
アルミダイカストは熱伝導率が高い素材です。そのため熱の影響によって歪みが発生しやすく、なかなか思うように溶接できなかったり、仕上がりに問題が起こったりします。また一見するときちんと溶接できているように見えても、十分な溶接ができていないようなケースも珍しくありません。
アルミダイカストでは内部に「巣」と呼ばれる空洞ができやすい特徴を持っています。これは、高速・高圧で溶湯を金型内に送り込む時に、中で泡立ちが発生してしまうことが理由です。
そのまま泡が外部に逃げられず固まってしまうと空洞となり、巣が発生します。冷えるまでに時間がかかるものであればその間に泡が外部に抜けてくれる可能性も高いですが、金属はすぐに冷えて固まってしまう特性上、難しいといえるでしょう。
巣があるアルミダイカストに溶接を行った場合、熱によって巣が膨張し、溶接割れなどが起こってしまうことがあります。製品の品質低下にも繋がるポイントです。
アルミダイカストを無理に溶接しようと思ってもなかなかうまくいきません。一見、うまく溶接できたように見えてもきちんと溶接がされておらず、外れてしまう可能性が高いです。
通常のアルミダイカストを無理に溶接しないように注意しましょう。アルミダイカストの溶接が難しいとされている大きな理由は巣が発生していることにあるため、巣の発生を抑える鋳造法であれば溶接は不可能ではありません。
例えば真空ダイカスト法や無孔性ダイカスト法などを用いて、気孔の少ないダイカストを得ると良いでしょう。真空ダイカスト法や無孔性ダイカスト法などを使用してアルミダイカスト自体の質を高めることにより、溶接しやすくなります。
大前提としてアルミダイカストの溶接は難しいということをよく理解しておき、それでも溶接する場合は巣の発生を抑える鋳造法について検討が必要です。
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