電気自動車とダイカスト

電気を動力源としたモーターで走行可能な電気自動車の分野でも、ダイカストの技術が活用されています。ここでは、そもそも電気自動車とは何か、どのような形でダイカスト製品が使われており、どういったメリット、課題があるのかについて解説します。

電気自動車（EV）とは

電気自動車は「Electric Vehicle」を略して「EV」と呼ばれることもあり、電力で走るのが特徴です。車内には蓄電池である二次電池が搭載されており、ガソリンを使用せずに走行できることから地球に優しいとして注目を集めています。

電気自動車が開発され始めたばかりの時期は電池性能がそれほど良くなかったため、あまり普及が進みませんでした。ですが、近年は非常に高性能の電池も登場しており、普及が進んでいる状況です。

電気自動車のパーツには、アルミニウムやマグネシウムなどの合金が使用されています。ダイカストで製造可能な自転車のパーツとしては、以下のようなものが代表的です。

ダイカストで製造されたものは電気自動車のパーツとして優れていることから、さまざまなものに活用されています。

電気自動車を構成する多くのパーツでダイカストが使用されているのは、メリットが大きいためです。代表的なメリットとして、以下のことが挙げられます。

電気自動車はバッテリーや電装品など多くの部品が使われている関係で、重量があります。重くなるほど燃費に影響するため、車体をいかにして軽くできるかが課題でした。

そこで、軽量化を目指すのに役立つのがダイカスト製品です。ダイカスト製品は軽いことに加えて丈夫である特徴を持っており、これら2つの特徴が電気自動車に適していることから選ばれています。

ダイカストで作られたパーツは耐候性が高く、太陽の光や雨、湿度、温度などの影響を受けにくいのが特徴です。そのため、屋外で使用する自動車のパーツとして適しています。

アルミニウムなどの合金は柔らかいため、従来、車のパーツ作りで使用されることが多かった硬い鉄と比較するとさまざまな形状の部品を作りやすいです。

鉄の場合はシンプルな形状のパーツしか作れず、それらをナットなどでつないで使用することもありました。ですが、柔らかい素材が使えるダイカスト製品であれば幅広く対応可能です。また、扱いやすい素材であることから安定して量産可能なのも魅力です。

電気自動車の部品として適しているダイカスト製品ではありますが、いくつか課題もあります。
例えば、ダイカスト製品は複雑なパーツでも製造可能ですが、その分、金型の設計や製造に時間がかかることも珍しくありません。自社で対応しようと考えた場合、初期設備投資もかかってしまいます。

それから、安全面に関する検討も必要です。ダイカスト製品は丈夫ですが、特に重要なパーツであるバッテリーや駆動システムはさらなる強度を求めて鉄を選択した方が良いケースもあります。
軽くすることだけにこだわるのではなく、適切な強度のバランスの検討が必要なのも課題といえます。

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