インサート成形とは、射出成形のひとつであり、金型にあらかじめインサート品を装着し、樹脂などを流し込んで成型する方法です。異なる素材を一体化させて成形することで、丈夫で多機能な製品をつくることが可能。
インサート品には金属ねじなどの金属素材のほか、ガラスやICタグ、異種のプラスチック部品などがあります。コネクタやスイッチといった電子部品やドライバなどの工具、半導体部品の製造に用いられています。
ダイカストは溶かした非鉄金属の合金を金型に流し込んで成型する鋳造技術ですが、インサート成形と掛け合わせることで精度の高い製品をつくることができます。
金型にインサート品を装着しておき、溶かした合金などの金属を高圧・高速で注入。異なる素材でできた製品を瞬時に生産できるため、生産性が高いのも特徴です。
異なる素材を一体化させて成形できることで、分裂しにくい丈夫な製品を生産可能。異なる素材を後から組み合わせる方法よりも強度を確保できるメリットがあります。また、シンプルな工程ながらも多機能な製品を生産できるのも特徴です。
金型に瞬時に金属を注入して製造するダイカストなら、スピーディな生産が可能です。形状の複雑さに関わらず、短時間で多くの製品を生産できます。
ダイカストのインサート成形では、製品の表面を滑らかに仕上げることができます。そのため表面処理が簡単にでき、研磨や塗装などの工程をスムーズに行えます。
ダイカストでつくられる製品は、寸法の狂いがほとんど生じません。複雑な形状でも精度が落ちることもなく、細く軽い部品でも安定した精算が可能。
異なる素材を一体化させてつくるダイカストのインサート成形なら、部品をつなげるためのパーツが不要。ムダなパーツを省くことができ、製品の軽量化を実現できます。
精度の高い製品を大量に生産できるダイカストのインサート成形ですが、導入にかかる費用は高額になりがちです。導入を検討している場合は、初期費用がダイカストのインサート成形によって得られるメリットに見合っているか慎重に検討しましょう。